スケールの大切さ

 世の中には、多くの作曲家たちが残してくれた、膨大な量の曲が存在します。可愛らしい小品もあれば、理解に苦しむ難曲、何十時間もかかる長い曲もあります。 

 そんな数々の曲の中に、よく登場するパッセージのひとつに「スケール(音階)」があります。ピアノを習っている人ならば学ぶであろう、「ハノンの39番」に登場する、あれです。このスケール、習いたての頃は頑張って練習したけれど…という人がとても多いです。「○調のスケールを弾いて♪」と言われ、パッと弾ける人がどのくらいいるでしょうか?常にすべての調を弾けることが理想ではありますが、せめて、今、弾いている曲に関しては、調性を理解して、スケール(+カデンツ&アルペジオ)もきちんと弾けるようにしておくと、その作品を美しく演奏できることにつながります。なぜなら、ピアノ曲の中では、特に古典派の作品にスケールが多様されていますし、ショパンやラフマニノフなどのロマン派の作曲家の作品の中でも、スケールやアルペジオが登場することが多々あるからです。

 私のレッスンでは、それぞれの作品の中でスケールやアルペジオが登場した場合に、その曲に適したテンポでスムーズにそれらのパッセージが弾けるように、常日頃のレッスンの中でも、それ相応の速さで、粒の揃ったスケールやアルペジオが弾けるようにコツコツと指導しています。基礎がしっかり身についている生徒は、作品の中に登場するパッセージで苦労したりせず、サラッと弾くことができます。

 クラシック作品以外にも登場するスケール。中学校内の合唱コンクール曲のピアノパートに「これでもか!」というほど、スケールの連続が続いた作品を伴奏した生徒が、「スケールやっておいてよかった~って思いました!!」と言っていたこともありました。留学中のある時、私がラフマニノフの作品をレッスンに持って行った際、先生が「こういうスケールの箇所でパッと弾けない人は、基礎が出来ていないということだからね!一番簡単な箇所よ~たまに、こういう場所でボロボロの人がいるんだけれど…」とおっしゃったこともありました。そのくらい、基礎中の基礎ということです。

 どんな練習も、意味があるのです。日々の積み重ねが、苦労なく素敵な演奏を生むことに繋がる…日々の基礎練習は大切に取り組みたいですね♪

裕子ピアノ教室フロイデ/豊橋市のピアノ教室

ピアニスト幸田裕子が主宰する、愛知県豊橋市にあるピアノ教室です。 ドイツで研鑽を積んだプロによる、本格的なレッスンをご体験いただけます。 ”上手になりたい方”なら、どなたでも大歓迎♪ピアノを通して豊かな感性を育み、音楽を奏でる喜びを味わってみませんか?