遅ればせながら、曲のタイトルを知る

 昨年までは、時間とお金さえあれば、気軽に海外に行くことができたのに、それが叶わなくなった今、 知りたい情報は、インターネットの世界でしか集められなくなりました。 インターネット上は、多くの情報で溢れており、自宅に居ながらにして、日本国内のみならず、世界中の様々な情報を集めることができます。しかし、本物に触れられるかといえば、それはまた別の話。  

 私は、その土地の空気を、人々の息遣いを感じたい。美術作品は写真ではなく実物を観たいし、食べ物はご当地の物を。出来立て、採れたてに触れたいと思うタイプです。そして、それが音楽となれば、やはり、その音楽の生まれた風土、文化を肌で感じることでアプローチの仕方も変わってくると思うからです。  

 先日、地球儀を眺めていて、ふと、エーゲ海が目に留まりました。以前より、ギリシャには行ってみたいとずっと思っていましたが、機会に恵まれず…特に、今はドデカネス諸島を訪れてみたいと思っています。なぜ、ドデカネス諸島なのか…  

 ドイツ時代にデュオやトリオを組んでいたギリシャ出身のヴァイオリニストと、数年前に隣の市でデュオコンサートの機会を得た際、お互いの国の曲、そして共に学んだドイツの作曲家の曲を並べたプログラムにしようと、ドイツからは、ベートーヴェンのヴァイオリンソナタを、日本からは、瀧廉太郎/山田耕筰の『荒城の月』を、そしてギリシャからは、「ドデカネス諸島の民謡による」と副題のついたヤニス・コンスタンティニディスの『小組曲』を含むプログラムを演奏しました。実はこの『小組曲』、ドイツでも何度か一緒に演奏していたのですが、五線譜の上には、何曲目かを表すローマ数字が書かれているだけで、あとは、各曲の冒頭にアレグロ、モデラート…などの速度標語しか書かれていないので、恥ずかしながら、(ドデカネス諸島にはこんなメロディーの民謡があるのね~)くらいにしか思っておらず… 

 ですが、つい最近、全6曲それぞれが、実はきちんとタイトルを持っていることが発覚!!ドデカネス諸島は12島から成るそうですが、「○○島のメロディー」「○○島の舞曲」…といった感じで、タイトルがついていたのです!島ですから、独自の音楽があって当然といえば当然。もう10年以上もこの曲を知っているのに、何故、今まで気づかなかったのか…今回タイトルを知ったのは遅すぎたのか、それとも、まだまだ間に合うのか… 

 

 次に共演する機会があれば、その前にドデカネス諸島を訪れることができれば、演奏が変わりそう♪行くと言ったら、ドイツから飛んできてくれるかしら?ミュンヘン・フィルのコンサートマスターは、さすがにそこまで暇ではないかな…

裕子ピアノ教室フロイデ/豊橋市のピアノ教室

ピアニスト幸田裕子が主宰する、愛知県豊橋市にあるピアノ教室です。 ドイツで研鑽を積んだプロによる、本格的なレッスンをご体験いただけます。 ”上手になりたい方”なら、どなたでも大歓迎♪ピアノを通して豊かな感性を育み、音楽を奏でる喜びを味わってみませんか?