譜読みの大切さ

 毎年、秋頃や卒業シーズンになると、合唱や合奏のピアノパートのオーディションを受けたい生徒達が、指定の曲の楽譜を持ってレッスンにやって来ます。  

 今年度は、このような状況下で、秋に楽譜を持ってくる事はありませんでしたが、冬休み直前に、とある作品の伴奏譜を持ってきた生徒がいました。彼は、毎年オーディションを受け、どの学年でもピアノパートを担当してきました。最終学年である今年、その座を他の誰かに譲るわけにはいきません。なんとも中途半端な時期にオーディションがあったので、私は、何か学習発表会でもあるのかしら?卒業生を送る会?と把握しておらず…本人から合格との結果を聞き、その際に「ところで、いつ弾くの?」と聞けば「卒業式」と言うではありませんか!!それはびっくり、合格できて良かった♪ 

 しかしながら、学校の先生というのは、昔から、何故、毎回、かなり急に楽譜を渡してくるのでしょうか… 今回も例に漏れず、3日前に貰ったという楽譜を持って生徒がレッスンにやって来きましたが、譜読みが得意な彼は、既に指定のテンポで弾けており、ダルセーニョなどの確認(合唱譜はややこしい場合が多い)、バランス、ペダリングのチェック、伴奏の場合のワンポイントのみ伝えて終了。次に会ったのは、オーディション終了後のレッスンの時。彼は約1週間という短期間なりにしっかりまとめたのでしょう、合格を掴みました!卒業式までにはまだ時間があるので、そのうち、音楽的に掘り下げてレッスンしようと思います♪ 


 「譜読み」は、その曲を演奏する上で、とても大切なプロセス。まずは、音が読めないことには、お話になりませんが、どこまでフレーズが続いているのか、ハーモニーの変化、拍子感などを楽譜から感じとること、それが自然にできて初めて、音楽的に演奏することができるのではないでしょうか? 

 楽譜は、作曲家のメッセージが詰まった、その曲の大切な情報源です。作曲家が意図したことを表現するために、自分の目でしっかり楽譜を見て「譜読み」することはとても大切だと考えます。そのため、私のレッスンでは毎週、8小節程度の短いリズム譜や旋律を、音楽的にリズム打ちをしたり、歌ったり、ピアノで弾いたりする初見のトレーニングを取り入れています。最初は戸惑い気味な子も、毎週のコツコツとした積み重ねで、短いフレーズでも音楽的に演奏しようという意識が芽生えてきます。自ずと、譜読みも早くなり、そうすると、新しい曲に入っても、曲のレベルが上がっても、ストレス無く譜読みが出来るようになり、弾きたい曲が弾きたい時に自分の力で弾けるようになり、音楽の世界が拡がります。


 音楽が生涯の友となるよう、譜読み力をアップさせ、音楽的な演奏を目指しましょう♪ 

裕子ピアノ教室フロイデ/豊橋市のピアノ教室

ピアニスト幸田裕子が主宰する、愛知県豊橋市にあるピアノ教室です。 ドイツで研鑽を積んだプロによる、本格的なレッスンをご体験いただけます。 ”上手になりたい方”なら、どなたでも大歓迎♪ピアノを通して豊かな感性を育み、音楽を奏でる喜びを味わってみませんか?