ジャンルを越えて学ぶ

 先週、とあるスーパーマーケットに食材の買い出しに行った際、BGMとして流れていた「モーツァルト:ピアノ四重奏曲変ホ長調K.493第3楽章」が聞こえてきました。私がカールスルーエ音大在学中に、「アンサンブル・イン・レジデンス」として学内でマスタークラスを開講し、私も何度もレッスンを受けさせてもらった「フォーレ四重奏団」の演奏で全楽章が聴きたくなり、買い物もそこそこに帰宅、CDを引っ張り出してきて鑑賞しました。「フォーレ四重奏団」は、アンサンブル自体がカールスルーエ音大の先輩、特にピアニストは同門の先輩でもあり、私の憧れのピアノカルテットです♪ 

 私の両親は音楽家ではありませんが、音楽が大好きで、私が幼少の頃より、レコード、CD、FM、コンサート等を通して、クラシック音楽に触れる機会をたくさん設けてくれました。ジャンルも様々、ピアノ曲だけでなく、オーケストラ、合唱曲等の演奏もたくさん聴きました。最初は両親の購入したCDや、当時習っていたピアノの先生オススメの演奏を聴いていました。

 学生時代には、毎日大学図書館に通い、持参したノートに鑑賞したCD等の感想を書き留めていたものです。ざっと見ても、ピアノ曲はもちろん、ピアノ以外の器楽曲や、歌曲、オペラ、交響曲、室内楽曲等、ジャンルも様々。初めて聴く作品の感想等、今、読み返すと、面白いものです。いつの頃からか、自分で好きな演奏家や作品のCDを集めるようになりました。そんな風にして集めたCDですが、最近では、聴く機会もめっきり減っており…モーツァルトが残した2つのピアノ四重奏曲を収録した「フォーレ四重奏団」のCDをきっかけに、先週は毎日一枚ずつCDを鑑賞することができました♪

 年齢を重ねて、知識量も増えた分、音楽の聴き方も変わりました。作曲家達は、交響曲や協奏曲、ピアノ曲他、自身のジャンルを越えて、時には、過去の偉人や敬愛する作曲家の旋律を借りて音遊びをしています。「私はピアノを習っているのだからピアノ曲だけ聴きます」ではなく、色々なジャンルを聴き、学ぶべきだと改めて思い、レッスンでも、そう、生徒にアドバイスしなければ、と改めて考えた一週間となりました。 

裕子ピアノ教室フロイデ/豊橋市のピアノ教室

ピアニスト幸田裕子が主宰する、愛知県豊橋市にあるピアノ教室です。 ドイツで研鑽を積んだプロによる、本格的なレッスンをご体験いただけます。 ”上手になりたい方”なら、どなたでも大歓迎♪ピアノを通して豊かな感性を育み、音楽を奏でる喜びを味わってみませんか?