強弱記号の「ピアノ」をどう弾くか

 ピアノは、弦をハンマーで叩くことで音を発する鍵盤楽器です。音域はオーケストラよりも広く、小さな音から大きな音まで出せます。上手なピアニストは、本当に強弱の幅が広く、ごくごく小さな音から大聖堂の鐘の様な響きまで鳴らすことができます。 

 ピアノの名前の由来はと言えば、17-18世紀の楽器製作家で、イタリアのフィレンツェのメディチ家に仕えたクリストフォリという人が作製した、現在のピアノの原型といわれる「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ(強弱を持つチェンバロ)」であり、これが短縮されたもののようです。「弱い音(ピアノ)も強い音(フォルテ)も両方出る」ある意味、とても単純な名前です。 

 ピアノという楽器を演奏するときには、腕の重さや筋肉を使い、さらに脱力をして楽器を鳴らしますが、フォルテ(強)の音よりも、ピアノ(弱)の音を鳴らす方が難しいです。強弱記号としての『ピアノ』は「弱く」と覚えている人がほとんどで、それはもちろん正しいのですが、その「弱く」という言葉に惑わされて、弱々しく弾かなければならないと思い込んでいませんか?そうではありません!イタリア語の辞書を引いてみると「弱く」だけでなく「小さい音で、静かに」という意味もあります。

 音を鳴らしてはいけないのではないかと、ふわふわした感じで鍵盤を触るのではなく、静かに、優しく、今にも壊れてしまいそうな大切なものを愛おしく触れるようなイメージで打鍵し、芯をとらえた音を出さなければ、コンサートホールのような大きな空間で最後列まで響く音を届けることはできません。今からでも遅くはありません!もし、思い込んでいると思われたなら、今すぐ認識を改めて、素敵な『ピアノ』『ピアニッシモ』を奏でましょう♪ 

裕子ピアノ教室フロイデ/豊橋市のピアノ教室

ピアニスト幸田裕子が主宰する、愛知県豊橋市にあるピアノ教室です。 ドイツで研鑽を積んだプロによる、本格的なレッスンをご体験いただけます。 ”上手になりたい方”なら、どなたでも大歓迎♪ピアノを通して豊かな感性を育み、音楽を奏でる喜びを味わってみませんか?