表現の幅が拡がる瞬間
普段レッスンをしていると「表現することが得意な子」と、内に秘めたものはあるのになんだか「うまく表現できない子」に分かれます。そんな時は、それこそ手を変え品を変え、その子から表現が引き出せるように頑張ります。何かに例えて言葉で表現してみたり、音楽を聴くことを薦めてみたり、歌ってみたり、踊ってみたり…伝わらないのであれれ??と思っていたら、それは方言だったとか、言葉選びが音楽とかけ離れすぎていて、なぜこのチョイスを??と、自分が変な人なのではないかと思うこともしばしばです。しかし、それで伝わることもあり、微妙ですが…。感じ方は人それぞれなので、Aの説明で何かを感じ取ってくれる子もいれば、Bでなければダメな子もいます。また、同じ子の中でも、あの曲の時には直ぐに感じ取ったようだけれども、別の曲だと伝わらない…という時もあります。
先日、どうしても表現しきれなかった部分があり、(まだわからないかもしれないから…)と私自身が勝手にセーブしてそれまで使わなかった言葉をあえて選んで言ってみた所、たったその一言で、別人のように音色がガラッと変わり表現の幅がぐんと拡がった生徒がいました。まだまだ子供だと思っていたのは私たち大人だけで、本人は、知らない間に成長しているのですね。
子どもたちの心の成長と共に、言葉選びも変わってきます。成長の速度は人それぞれ、可能性は無限大です。今日は繋がらなくても、明日は何かを感じ取れるかもしれない。指導する立場の大人が勝手に制限を設けたり諦めてはいけないと、改めて考えさせられた嬉しい出来事でした。
しかしながら、やはり、基礎が無ければ、それを表現することはできません。言葉は悪いですが、曲が簡単なうちは、なんとなく雰囲気で演奏できていても、曲のレベルが上がって色々なテクニックが必要となってきた時、基礎が伴わずに思いばかりが先行していると、残念な演奏になってしまいます。。。ですので、いざ、憧れの曲を演奏する場面がやってきた時に、自分の表現したいものが表現できるだけの基礎力を、幼いうちからしっかりと身につけていってほしいですし、そのためのお手伝いを、日々のレッスンの中でしていきたいと思います。
ちなみに、前述の生徒は先日参加したコンクールで見事入賞することができました!おめでとうございます☆表現の幅が拡がれば、音楽の世界がより色鮮やかに感じられます。これからもたくさんの曲に出会い、素敵な音楽を奏でてほしいと思います♪
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