ペダルをどのように踏むか
ピアノに付いているペダルのうち、一番右側のペダルをダンパーペダルと言いますが、このペダル、いったいどのように踏んだらよいのでしょうか。
音をより豊かに響かせたいとき、音の響きを長く続かせたいときなど、ペダルを使う場面は色々ありますが、曲の中で、本当にこの場所にペダルが必要なのか見極め、耳をよく働かせて使用すべきだと思います。ペダルは「耳で踏む」とも、言われます。もちろん、敢えて響きを濁らせたい曲もあったりしますし、そのように作曲家によって指定されている作品もありますが、基本的には、音が濁らないように踏み変えるタイミングを調整したり、踏み込む深さを調整したりして使いこなさなければいけません。
ピアノは個体差もありますし、弾いている空間によって、残響も全く異なってくるので、自分の耳だけが頼りであり、自分が出した音の響きをしっかりキャッチして判断しなければいけません。これは、かなり高度な技術だと思います。その前に、まずは、ペダルに頼らずに手だけで響かせられるタッチの研究や、音をギリギリまで伸ばす手の運び、響いている音を聴く耳を育てる勉強(指導)をすべきです。基礎ができて初めて、更に豊かな響きが欲しいなとか、こういう表現がしたいからペダルを使いましょう、ということとなり、それであれば、とても素敵なペダルの使い方ができると思います。
先日、コンクールの審査をする機会があり、幼児から高校生までの演奏を聴き、改めて、ペダルの踏み方を指導する大切さ、難しさを感じました。小さな子どもたちは、レッスンで初めてペダルを踏む日、その響きの豊かさに目を輝かせて喜びます。そして、その日から、多くの生徒が、ペダルを踏みたがります。ですので、私は最初が肝心だと思って、踏むタイミングや踏み変え方、踏む深さなど、とても細かく丁寧に指導しています。このペダルの指導は、意外とさらっと流される場合が多いようで、私のレッスンを初めて受けた際には戸惑っている方も多いですが、「耳で踏む」ことを意識し続けている生徒は、いつの頃からか、とても良いペダルの使い方をしてきます。
自分の耳を鍛えて上手にペダルを使い、音の響きの豊かな演奏を目指しましょう♪
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