鍵盤を触ってから音を出す
ピアノは、鍵盤を押すと、その奥にあるハンマーが連動して下から弦を打ち音が出ます。その音は、響板と言われる木の板に伝わって楽器全体を振動させ、豊かな響きを作り出しています。では、その豊かな音を出すためには、どのように鍵盤にアプローチすればよいのでしょう。
身体の大きなおじさんも、まだこの世に生を受けて数年の小さな子どもも、体格差に関係なく同じ大きさの楽器を演奏するピアノ。成長段階によって、筋肉のつき方も変わってくるので、大人と同じ弾き方で子どもが弾けないのはわかります。しかしながら、鍵盤からずいぶん離れた場所から(上から)手首を振り下ろすのは、どうなのでしょうか…
以前、私の教室に「コンクールに出る度に、”美しい音の出し方を勉強してください”と、講評用紙に書かれるのですが、どうしたら良いのでしょう…」と訪ねてきた親子がいました。そのお子さんは、表現するのがとても得意な子で、指もよく動くのですが、ガツンと鍵盤に打ち付けられた音を出しており、私の耳にはとても痛い音色で、残念に思いました。その後、本人の強い希望で教室を移ってくることとなり、それから、忍耐強く一緒にタッチの改善をしていくことになりました。幼い頃に付いた癖はなかなか治りませんが、その生徒には、明確な目標があり、地道にコツコツと頑張って、約1年半かけて、美しい音色を手に入れ、表現の幅がより一層拡がりました。
美しい音色を奏でているピアニストたちは、どんなに大きなパフォーマンスであったとしても、音を鳴らすその瞬間は、必ず鍵盤を触っています。そうすることで、芯を捉えた音が鳴らせるからです。
私のレッスンでは、幼少期より、常に美しい音色を求めて、理想的なタッチで演奏することを大切に指導しています♪ 耳に心地よい音色を追求していきたいと思われる方、ご一緒にコツコツ頑張ってみませんか?
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